FX20は、カーボン素材やスーパーエンプラ等を使って強度のある大型な造形物をプリントできるタイプの製品です。ここでは、FX20の業務用3Dプリンターの活用事例や強みなどについてまとめました。
屋外用リモートカメラの筐体の需要が伸びていた企業では、コストを抑えつつ小ロット連続生産を行うための手段として3Dプリンターに着目。FX20は1つのプリントベッド上で3つのコンポーネントを製作できたことから採用が決まりました。
導入企業の思惑通り、コスト削減や生産時間の短縮を実現。さらに、製品の品質も上げることができたそうです。
機械加工では対応ができない特殊パーツを製作するためにFX20を導入。スピードと表面仕上げの品質の高さから採用が決まりました。導入後は、9時間かかっていた生産時間を2.5時間までに短縮。さらに、従来納めていた製品よりも表面の仕上がりが良くなったことで、顧客からも好反応を得られたそうです。
FX20は、Markforgedが手がける3Dプリンターの中でも大型モデルに該当する3Dプリンターです。84Lのビルドチャンバーを搭載しており、造形エリアは最大525×400×400㎜となっています。また、Markforged独自のCFR技術によって、内部をカーボン素材、外部を樹脂素材でコーティングしながら造形できるため、耐久性の高い大型パーツもプリントできます。
カーボン素材だけでなく、幅広いエンプラに対応しているのもFX20の特徴の一つ。特に、スーパーエンプラでもあるULTEM™ 9085を使用できるのはFX20の大きな強みです。ULTEM™ 9085は難燃性の特性をもつ熱可塑性樹脂で、この素材を使えば耐久性に加えて耐熱性も高めたパーツ製作を実現できるでしょう。
FX20であれば大型の試作品やパーツ、治具なども、分割して製作することなく一度にプリントすることが可能です。さらに、熱可塑性材料のULTEM™ 9085を扱うことができるため、特に高い性能が求められる自動車産業や航空宇宙産業のパーツ製作にも活用ができるでしょう。これによりリードタイムの短縮やコスト削減も期待できます。
製造の目的・工程に合った3Dプリンターを導入することで、コスト短縮や納期短縮、生産性の向上といったメリットが得られるでしょう。ここでは、目的別におすすめの業務用3Dプリンターをご紹介します。
高精度造形で、温度差による歪みや反りもなく、現場での設備や治具作成に最適。高コストかつ複雑な自動車・電子製品の製造工程で、確実・迅速な現場改善や、組立性向上も実現。
日用品・食品など消費材の大量生産にも長く耐えられる主力複合基材をラインアップ。金属に代わる強度性能を持つ治具を製造・使用できるようになり、交換効率を向上できる。
大型部品の製造工程で必要とされるような、構成する部品点数が多い大型治具を軽量化し、一括造形することで、生産効率を高められる。部品によっては最終製品として使用も可能。
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・アジリスタ…調査した3Dプリンターのうち、インクジェット方式で積層ピッチが最小の特徴を持つ製品
・Mark Two...調査した3Dプリンターのうち、繊維素材で高い強度を誇るカーボンファイバー素材を使用できる製品
・BIG PAD...調査した3Dプリンターのうち、樹脂素材で生産できる造形可能サイズが一番大きい製品品