独創性が求められる芸術・デザインの分野でも、複雑な形状や多様な素材に対応でき、繰り返し試作できる3Dプリンターの活用が進んでいます。ここでは、芸術・デザインに3Dプリンターが使われる理由や3Dプリンター活用事例を紹介します。ぜひ活用のヒントを見つけてください。
従来の製造手法では不可能だった表現の実現と高度なカスタマイズ性が芸術・デザイン分野との相性がよく、複雑な幾何学形状や中空構造を短時間で造形でき、独創的なデザインを具現化できます。素材の無駄を最小限に抑えられ、実験的な表現を繰り返すことができるのに加えて、環境配慮とコスト削減を両立できます。
またAIが生成する最適形状を3Dプリントで具現化するなど、従来の金型製造に依存しない新たな創作手法が開拓されています。アートと機能性を融合した製品開発が加速し、表現の境界を拡張しています。
3Dプリンターを使用したアート作品事例です。オラファー・エリアソンは氷河の氷を3Dプリンターで再現し、地球温暖化への問題を提起しました。AKI INOMATAは、3Dプリンターで作った「やど」をヤドカリに提供する作品を制作しました。ヘザー・デューイ=ハグボーグは、街で採取したDNAサンプルから人物の肖像を3Dプリントする作品を発表しています。「未来と芸術展」では、ゴッホのDNAからバイオ3Dプリンターで出力した耳などが展示されました。

3Dプリンターと3Dスキャナーを活用した芸術品のレプリカ製作プロジェクトです。ザイナーMaaike氏が、美術館の芸術品を実際に触れることができないという課題に対し、3Dスキャンと3Dプリント技術を用いて陶器のレプリカを制作しました。ロッテルダムのボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館で展示を始め、来場者が直接触れる体験を提供しています。

コスプレ業界での事例です。デジタルモデルから忠実なレプリカを作成しました。キャラクターの武器や衣装を自由にデザインできます。3Dプリンターは様々な素材が利用でき、金属フィラメントで硬い剣や鎧、TPUプラスチックで柔軟な膝パッドを製造できます。試作プロセスも迅速化し、無駄を最小限に抑え、コストを削減できます。複雑なシンボルや小道具も高精度で再現でき、リアリティを追求できます。
【目的別】商品開発・
製造を加速する
おすすめ産業用(業務用)
3Dプリンター3選を見る
外注待ちの長さ、ブレによるスピードの上げづらさ、大型・耐熱部品の作りにくさは、現場の生産性を下げます。 産業用(業務用)3Dプリンターを選ぶ際には、各課題解決に適した機能特徴を持つ製品を選ぶようにするとよいでしょう。ここでは、主な製造現場の課題別に、おすすめの製品を紹介します。


