業務用3Dプリンターを長期間安定して運用するためには、日常的なメンテナンスと定期的な点検が重要です。メンテナンスの内容や頻度は、造形方式、機種、材料、使用時間、設置環境によって異なります。本記事ではFDM方式とSLA方式を中心に、主な確認箇所、頻度を決めるときの考え方、作業時の注意点を解説します。具体的な作業を行う際は、各メーカーの取扱説明書や保守手順を優先してください。
業務用3Dプリンターのメンテナンスでは、造形方式に応じた各部の点検と清掃が基本です。方式だけで作業内容を決めるのではなく、装置に搭載されている部品、使用材料、稼働時間、メーカーの保守手順を確認します。日常点検では、機種の取扱説明書で示された項目をもとに、装置の外観、材料の残りや漏れ、異音、異常表示などを確認し、異常がある場合は取扱説明書の手順に従って運転を止め、必要に応じてメーカーや販売代理店へ相談します。
FDM方式では、ノズルやフィラメント経路の詰まりを確認します。ノズルやフィラメント経路に材料が詰まると、材料を正常に送れない場合があるため、詰まりが疑われるときは、機種の手順に従って清掃・交換を行います。造形面の清掃やレベリング調整、軸の潤滑、フィルターの清掃・交換は、搭載部品やメーカーの指定に応じて実施してください。使用する工具や潤滑剤、交換時期も機種ごとに異なるため、取扱説明書の範囲を超える分解や、指定外の潤滑剤の使用は避け、必要に応じてメーカーや販売代理店へ確認します。
SLA方式では、レジンタンクとビルドプレートの状態を確認します。硬化したレジンや汚れが残っていないかを点検し、清掃や交換が必要な場合は、機種の手順に従って対応します。光学部品や表示部品などの点検・清掃は、装置に搭載されている部品とメーカーの指定に応じて行ってください。LCDスクリーンなど特定の部品は搭載機種に限られるため、すべての光造形装置に共通する点検項目ではありません。レジンは種類ごとに使用期限、保管条件、取り扱い方法が異なるため、SDSや材料の取扱説明書も確認します。
レジンを扱う場合は、材料のSDSで保護具、保管、こぼれた場合の処置、廃棄方法を確認します。手袋などの保護具、換気、廃棄方法は材料や作業環境によって異なるため、一般的な手順をそのまま適用せず、使用する製品のSDSとメーカー手順を優先してください。
参照元:Formlabs「Form 4世代のメンテナンススケジュール」(https://formlabs.com/jp/support/Schedule-of-maintenance-Form-4-generation/)
参照元:Ultimaker「Ultimaker 2+ Connectユーザーマニュアル」(PDF)(https://um-support-files.ultimaker.com/manuals/user-manual/UM2%2BConnect/JP%20-%20Ultimaker%202%20%20Connect%20-%20User%20manual.pdf)
参照元:Stratasys「FAQ」(https://support.stratasys.com/jp/resources/faqs)
参照元:Formlabs「レジンのケア」(https://formlabs.com/jp/support/Resin-Care/)
参照元:厚生労働省「SDS(安全データシート)」(PDF)(https://www.mhlw.go.jp/content/11305000/001400107.pdf)
メンテナンスの頻度は、造形方式や使用頻度だけでなく、機種、材料、稼働時間、設置環境、メーカーの指定によって異なります。日常点検、週次の簡易清掃、月次の部品点検・調整、年次の点検という区分は、管理表を作るときの目安として使えます。ただし、すべての業務用3Dプリンターに当てはまる標準周期ではありません。メーカーが指定する日数、累積プリント時間、部品の状態、特定の造形イベントなどを優先し、使用頻度が高い場合や材料を変更した場合は、追加点検が必要か確認してください。ファームウェアやソフトウェアの更新も、メーカーの案内と対応機種を確認してから行います。
参照元:Formlabs「Form 4世代のメンテナンススケジュール」(https://formlabs.com/jp/support/Schedule-of-maintenance-Form-4-generation/)
参照元:Ultimaker「Ultimaker 2+ Connectユーザーマニュアル」(PDF)(https://um-support-files.ultimaker.com/manuals/user-manual/UM2%2BConnect/JP%20-%20Ultimaker%202%20%20Connect%20-%20User%20manual.pdf)
参照元:EOS「3Dプリンティングのサービスパッケージ」(https://www.eos.info/ja/enablement/service/service-plans)
メンテナンス時には、メーカーの推奨手順や安全指示に従うことが重要です。作業前には、メーカーの指示に従って電源を切る、または動作を停止し、必要に応じて十分に冷却してから、指定された工具や保護具を使用してください。異音、異常発熱、材料の漏れ、エラー表示、造形失敗が続く場合は、無理に運転を続けず、エラー内容、使用材料、稼働時間、実施した作業を記録してメーカーや販売代理店に相談します。
点検記録には、実施日、プリンターの機種・個体、累積稼働時間、使用材料、確認した症状、清掃・交換・調整の内容を残しておくと、次回の点検時期やサポートへの相談内容を整理しやすくなります。記録項目は社内の保守ルールとメーカーの指定に合わせて決めてください。
参照元:Ultimaker「Ultimaker 2+ Connectユーザーマニュアル」(PDF)(https://um-support-files.ultimaker.com/manuals/user-manual/UM2%2BConnect/JP%20-%20Ultimaker%202%20%20Connect%20-%20User%20manual.pdf)
参照元:Formlabs「Form 4世代のメンテナンススケジュール」(https://formlabs.com/jp/support/Schedule-of-maintenance-Form-4-generation/)
参照元:Stratasys「FAQ」(https://support.stratasys.com/jp/resources/faqs)
参照元:厚生労働省「SDS(安全データシート)」(PDF)(https://www.mhlw.go.jp/content/11305000/001400107.pdf)
業務用3Dプリンターのメンテナンスは、日常の状態確認と、機種・材料・稼働時間に応じた定期点検を組み合わせて行います。FDM方式ではノズルやフィラメント経路、SLA方式ではレジンタンクや造形面などを確認しますが、具体的な作業と頻度は装置ごとに異なります。メーカーの取扱説明書や、材料を扱う場合のSDS、保守窓口を確認し、点検記録を残しながら自社の運用に合った管理表を作成することが、安定運用に向けた基本的な進め方です。
外注待ちの長さ、ブレによるスピードの上げづらさ、大型・耐熱部品の作りにくさは、現場の生産性を下げます。 産業用(業務用)3Dプリンターを選ぶ際には、各課題解決に適した機能特徴を持つ製品を選ぶようにするとよいでしょう。ここでは、主な製造現場の課題別に、おすすめの製品を紹介します。


