【製造業向け】 業務用3Dプリンター活用ガイド
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業務用光造形3Dプリンターのメリットと特徴について

業務用光造形3Dプリンターは、光硬化性樹脂に光を照射し、3Dデータを薄い層に分けて一層ずつ硬化させながら立体形状を造形する装置です。滑らかな表面や細かな形状の確認に活用されやすい一方、材料の特性や造形後の洗浄・二次硬化なども含めて導入を検討する必要があります。ここでは、光造形3Dプリンターの仕組み、方式ごとの違い、メリット・デメリット、用途に合わせた選び方を解説します。

光造形3Dプリンターとは?

光造形3Dプリンターは、光硬化性樹脂に光を照射し、3Dデータを薄い層に分けて一層ずつ硬化させながら立体形状を作る方式です。光造形は、3D Systemsの共同創設者Chuck Hullが1980年代に開発し、同社が商業化した技術として知られています。

基本的な造形工程は以下のとおりです。

  1. 3Dデータを造形用データへ変換し、薄い層ごとの断面データを作成する
  2. 造形方向を決め、必要に応じてサポートの位置を設定する
  3. 液体の光硬化性樹脂へ光を照射し、一層ずつ硬化させる
  4. 造形物を取り出し、表面に残った未硬化樹脂を洗浄する
  5. 材料や機種の手順に従って乾燥、二次硬化、サポート除去、必要に応じて研磨を行う

光造形3Dプリンターの照射方式は主に3つあります。

方式名だけで造形品質が決まるわけではありません。造形範囲、光源・光学系、画素やスポットサイズ、積層ピッチ、材料、造形方向、補正制御などを確認し、実際のデータでテストすることが重要です。

参照元:3D Systems https://ja.3dsystems.com/stereolithography

参照元:リコー https://www.ricoh.co.jp/3dp/lineup/byMethod

参照元:大塚商会 https://mypage.otsuka-shokai.co.jp/contents/business-oyakudachi/cad-lecture/2022/05.html

光造形3Dプリンターに必要なもの

光造形3Dプリンターを導入するときは、本体だけでなく、造形データの準備、レジンの保管、洗浄・二次硬化、サポート除去までを一連の作業として準備します。機種や材料によって必要な設備や手順は異なりますが、一般的には以下のものを用意します。

レジンや洗浄液の危険性・取り扱いは製品ごとに異なるため、導入前に安全データシート(SDS)で保護具、保管、換気、こぼれたときの対応、廃棄方法を確認します。液体レジンやレジンを含む洗浄液は、排水や一般ごみに出せるとは限らないため、SDS、自治体、廃棄物処理業者の指示に従ってください。

参照元:厚生労働省(PDF) https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/000609003.pdf

参照元:Formlabs https://formlabs.com/jp/support/Resin-Care/

参照元:Formlabs https://formlabs.com/jp/support/Disposing-of-resin/

光造形3Dプリンターの材料

光造形3Dプリンターでは、光を受けて硬化する光硬化性樹脂を使用します。材料には、汎用タイプのほか、靭性や耐衝撃性、柔軟性、耐熱性、透明性、耐薬品性、鋳造用途など、異なる特性を持つ製品があります。

同じ「ABSライク」「PPライク」などの名称でも、メーカーや製品によって化学組成や物性は異なります。名称だけで判断せず、次のような項目を材料データシートで確認することが大切です

重視したい条件確認する物性・資料
外観や透明性透明性、色、表面仕上げ、経時変化、研磨・塗装の可否
機能試作や治具引張強さ、弾性率、破断伸び、衝撃特性、耐熱性、耐薬品性
長期使用や屋外使用耐候性、紫外線による変色・劣化、使用温度・湿度の条件
医療・接触用途該当する認証、用途制限、造形後の処理方法、使用環境

生体適合性などの表示がある材料でも、使用できる部位や工程、必要な認証は製品ごとに異なります。最終用途に使う場合は、材料の仕様だけでなく、造形条件、洗浄・二次硬化、品質管理まで確認してください。

参照元:リコー3Dプリント https://www.ricoh.co.jp/3dp/print_service/material/

参照元:Formlabs https://formlabs.com/jp/support/Are-Formlabs-resins-food-safe-or-biocompatible/

参照元:Formlabs https://formlabs.com/jp/materials/data-sheets/

光造形3Dプリンターの種類と方式ごとの違い

SLA、DLP、LCDは、液体の光硬化性樹脂を光で硬化させる点は共通していますが、光の当て方や光学系が異なります。造形速度や精度は方式名だけでは決まらないため、装置ごとの仕様とテスト造形を確認してください。

方式光の当て方確認したい特徴比較時の確認項目
SLAレーザーなどの光を走査し、断面形状を描画する細かな輪郭を制御しやすい一方、描画面積や積層数などで造形時間が変わるスポットサイズ、積層ピッチ、造形範囲、寸法公差、再現性
DLPプロジェクターなどで一層分の断面画像を投影する一層を面単位で硬化するため、条件によっては複数部品を効率よく造形できる画素サイズ、投影範囲、光学系、補正、材料、面内の均一性
LCD液晶パネルをマスクとして、光源から一層分を面露光する面露光による造形が可能だが、液晶パネルの寿命や交換費用を確認する必要があるパネルの交換頻度、光の均一性、解像度、保守費用、対応材料

例えば、外観確認用のモデルでは表面性状や透明性、精密試作では公差や再現性、複数部品の造形では造形範囲と面露光の条件を重視します。方式の一般的な傾向だけでなく、自社の造形データと必要数量を使って比較することが重要です。

参照元:Formlabs https://formlabs.com/jp/blog/sla-dlp-msla-lcd-resin-3d-printer-comparison/

参照元:リコー https://www.ricoh.co.jp/3dp/lineup/byMethod

参照元:大塚商会 https://mypage.otsuka-shokai.co.jp/contents/business-oyakudachi/cad-lecture/2022/05.html

光造形以外の3Dプリンターとの違い

3Dプリンターには、光造形以外にも材料押出方式、粉末床方式、マテリアルジェッティング方式などがあります。光造形が適しているか判断するときは、表面の仕上がりだけでなく、必要な強度、耐熱性、造形サイズ、後処理、運用環境を比較します。

方式主な仕組み・材料光造形と比較したときの確認点
材料押出方式熱で溶かした樹脂をノズルから押し出して積層する強度や耐熱性を重視する試作・治具で候補になる一方、積層跡、造形方向による差、サポートの有無を確認する
粉末床方式樹脂粉末や金属粉末などを層ごとに溶融・結合または焼結する複雑形状や機能部品で候補になるが、粉末管理、付帯設備、表面仕上げ、後処理を確認する
マテリアルジェッティング方式液状材料を吐出し、光などで硬化させて積層する細かな形状、色、質感の確認で候補になるが、材料、サポート材、消耗品、保守費用を確認する

細かな形状や滑らかな表面を確認したい場合は光造形を候補にし、強度や耐熱性、粉末材料、色・質感など別の条件を優先する場合は、他方式も含めて比較します。どの方式でも、用途と材料の組み合わせによって適否が変わるため、方式名だけで決めないことが大切です。

参照元:リコー https://www.ricoh.co.jp/3dp/lineup/byMethod

参照元:産業用(業務用)3Dプリンター https://www.industrial-3d-printer.com/basic-knowledge/choose-point.html

業務用光造形の主なメリット

業務用光造形は、材料と方式を用途に合わせることで、滑らかな表面、細かな輪郭、透明性などを評価しやすい点が特徴です。具体的なメリットは、装置の仕様と材料の物性を確認したうえで判断します。

光造形のメリットを評価するときは、「高精度」「高速」といった方式の名称だけで判断せず、必要な公差、最小形状、造形範囲、材料、後処理を自社データで確認します

参照元:3D Systems https://ja.3dsystems.com/stereolithography

参照元:リコー https://www.ricoh.co.jp/3dp/lineup/byMethod

参照元:Formlabs https://formlabs.com/jp/blog/sla-3d-printing-pixel-size/

光造形3Dプリンターの留意点とデメリット

光造形3Dプリンターは、造形後の工程や材料管理まで含めて運用する必要があります。導入前に、造形物の品質だけでなく、作業時間、設備、廃棄方法も確認しておきましょう。

後処理の負担は、造形物の形状、材料、造形数、担当者の作業方法によって変わります。装置の本体価格だけでなく、1回・1か月・1年あたりの材料費、消耗品費、保守費用、作業時間を合わせて比較すると、導入後の負担を把握しやすくなります。

参照元:Formlabs https://formlabs.com/jp/support/SLA-basic-finishing/

参照元:Formlabs https://formlabs.com/jp/support/Safety-with-Form-Wash/

参照元:リコー3Dプリント https://www.ricoh.co.jp/3dp/print_service/material/

業務用光造形3Dプリンターの利用シーン

業務用光造形3Dプリンターは、外観や細部を確認する試作品、形状確認用モデル、透明材料を使った内部構造の確認、精密部品の試作に活用されることがあります。試作では複数の形状を比較しやすい一方、造形時間や後処理の負担は方式、材料、配置によって変わります。

治具や工具、最終用途部品に使う場合は、光造形であることだけを理由に適否を決めず、必要な強度、耐熱性、耐薬品性を材料の仕様とテストで確認します。医療用モデルや接触を伴う用途では、材料の認証や用途制限、造形後の処理方法も確認が必要です。

用途光造形を候補にする条件事前に確認する項目
外観確認・デザインモデル細かな形状や表面の仕上がりを見たい表面性状、色、透明性、研磨・塗装の可否
精密試作・組み付け確認形状や嵌合を確認したい寸法公差、再現性、材料収縮、造形方向
内部構造の確認透明性のあるモデルで内部を見たい透明性、黄変、洗浄性、内部に残る未硬化樹脂の有無
治具・工具・最終用途部品必要な強度・耐熱性などを材料が満たす物性、使用環境、繰り返し使用、認証・用途制限

参照元:3D Systems https://ja.3dsystems.com/stereolithography

参照元:リコー3Dプリント https://www.ricoh.co.jp/3dp/print_service/material/

光造形3Dプリンターの選び方

光造形3Dプリンターは、方式名やカタログ上の解像度だけでなく、実際に作りたいものと運用条件から比較します。導入前は、次の項目を順番に整理すると候補機種を絞り込みやすくなります。

  1. 用途と数量:外観確認、精密試作、治具、最終用途部品など、何をどの程度の頻度で作るかを明確にする
  2. 造形サイズと配置:必要な最大寸法、一度に造形する個数、分割や組み立ての有無を確認する
  3. 精度と再現性:必要な公差、最小壁厚、最小穴径、嵌合の条件を整理し、カタログ値だけでなく自社データでテストする
  4. 材料:強度、靭性、耐熱性、透明性、耐薬品性、耐候性、認証、用途制限を確認する
  5. 後処理と安全管理:洗浄液、洗浄装置、乾燥、二次硬化、サポート除去、廃液処理の手順と作業時間を確認する
  6. 導入後のコスト:本体価格だけでなく、材料、タンクやパネルなどの消耗品、保守、電気、作業時間、造形失敗時のロスを見積もる
  7. 設置環境とサポート:設置スペース、電源、換気、保護具、トレーニング、故障時の対応、消耗品の入手性を確認する

候補機種を比較するときは、実際に作りたい形状に近いデータでテスト造形を行い、表面の仕上がり、寸法精度、材料特性、後処理のしやすさ、作業時間を記録します。方式・材料・造形条件の組み合わせで結果が変わるため、サンプルの見た目だけでなく、使用目的に必要な検査項目を決めて評価することが重要です。

参照元:産業用(業務用)3Dプリンター https://www.industrial-3d-printer.com/basic-knowledge/choose-point.html

参照元:Formlabs https://formlabs.com/jp/blog/sla-3d-printing-pixel-size/

参照元:リコー https://www.ricoh.co.jp/3dp/lineup/byMethod

光造形3Dプリンターに関するよくある質問

光造形3Dプリンターなら、必ず高精度に造形できますか?

方式名だけで精度が決まるわけではありません。光源・光学系、画素やスポットサイズ、積層ピッチ、材料、造形方向、サポート、洗浄・二次硬化などの条件で結果が変わります。必要な公差や再現性を決め、自社データで確認してください。

造形後には何が必要ですか?

一般的には、未硬化レジンの洗浄、乾燥、材料や機種の手順に応じた二次硬化、サポート除去を行います。用途によっては研磨、塗装、検査なども必要になるため、造形時間だけでなく後処理を含めて工程を見積もります。

光造形の造形物は屋外や実用部品に使えますか?

使用できるかどうかは、材料の耐候性、耐熱性、耐薬品性、強度、認証、使用期間、造形後の処理によって異なります。屋外や繰り返し荷重がかかる用途では、材料データと実際の使用条件を照合し、必要な試験を行って判断します。

SLA・DLP・LCDのどれを選べばよいですか?

必要な造形サイズ、形状の細かさ、数量、造形時間、材料、保守費用、後処理の体制を比較して選びます。方式ごとの一般的な傾向だけでなく、候補機種のテスト造形と運用条件を確認することが大切です。

参照元:Formlabs https://formlabs.com/jp/support/SLA-basic-finishing/

参照元:Formlabs https://formlabs.com/jp/blog/sla-dlp-msla-lcd-resin-3d-printer-comparison/

参照元:リコー3Dプリント https://www.ricoh.co.jp/3dp/print_service/material/

光造形3Dプリンターは用途と条件に合わせて選ぶ

光造形3Dプリンターは、滑らかな表面や細かな形状の再現を重視する試作・モデル作成で候補になりやすい方式です。一方で、必要な精度、材料特性、造形サイズ、後処理、年間の使用量によって適した機種は変わります。カタログの解像度や造形速度だけで決めず、自社データのテスト造形と運用条件を確認して選定しましょう。

導入前には、材料のSDS、洗浄・二次硬化の手順、廃液処理、保守体制、消耗品の交換費用も確認してください。方式や材料の候補を絞り切れない場合は、実機サンプルや専門スタッフへの相談を通じて比較すると判断しやすくなります。

参照元:3D Systems https://ja.3dsystems.com/stereolithography

参照元:産業用(業務用)3Dプリンター https://www.industrial-3d-printer.com/basic-knowledge/choose-point.html

現場の課題別
産業用(業務用)3Dプリンター3選

外注待ちの長さ、ブレによるスピードの上げづらさ、大型・耐熱部品の作りにくさは、現場の生産性を下げます。 産業用(業務用)3Dプリンターを選ぶ際には、各課題解決に適した機能特徴を持つ製品を選ぶようにするとよいでしょう。ここでは、主な製造現場の課題別に、おすすめの製品を紹介します。

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生産技術部向け
GX-1000シリーズ
(キーエンス)
GX-1000シリーズ(キーエンス)
引用元:KEYENCE
(https://www.keyence.co.jp/products/3d-printers/3d-printers/gx-1000/)
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Mark Two(Markforged)
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量試生産チーム向け
Fortus 900mc
(Stratasys)
Fortus 900mc(Stratasys)
引用元:Stratasys
(https://support.stratasys.com/jp/printers/fdm/fortus-900mc-f900)
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