公開日:|更新日:
細かなデザインをスピーディに具現化できる3Dプリンターは、建築模型の試作にも活用されています。効率化はもちろん、コスト削減も期待できる取り組みです。ここでは、建築模型の試作に3Dプリンターが注目されている理由や試作事例を紹介します。
3Dプリンターが建築模型の試作で注目される理由は、主に効率性、精度、コスト削減にあります。従来の手作業による模型製作は時間がかかり、材料の取り扱いや加工が煩雑でしたが、3Dプリンターを使用することでCADデータから直接高精度な模型を迅速に製作できます。
また、複雑な形状や細部の再現が容易になり、手作業では困難なデザインでも作製できます。設計の自由度が向上し、より創造的なプロジェクトを検討できます。さらに、3Dプリンターは材料費や人件費を抑えつつ、多くの設計イテレーションを短期間で試作できるので、プロジェクトの進行がスムーズになります。
加えて、立体モデルを用いることで関係者間のコミュニケーションが円滑になり、新人技術者の教育にも役立つ点も重要です。建築業界における3Dプリンターの導入は急速に進んでいます。
3Dプリンターを使うことで建築模型の製作を効率化することができます。作業にかかる工数やコストを大きく削減し、業務効率化を実現。ここでは、どのように建築模型で3Dプリンターが使われているか紹介します。
現代建築はコンピューターで設計された複雑な形状のデザインが増えています。建築模型を製作するにあたり、再現するのが難しい幾何学的な形状やねじれやうねりを持つ自由曲面の建築でも、3Dプリンターを使うことでCADデータをそのまま積層造形することができます。
手作業や紙、プラスチック板、切削加工で再現するのが難しくてもエラーなくモデルを製作可能です。空間デザインの検証、プレゼンテーションでの活用などが期待できます。
住宅設計において、複数階ある建物を階層やブロックごとに取り外せる分割模型やブロック別模型も3Dプリンターで簡単に製作できます。内部の動線、光の入り方や家具の配置などを実際に見て確認することができます。施工する業者だけでなく、施主にも説明しやすくなります。
また、建物の壁や床などを垂直・水平にカットして断面や内部構造を見る断面模型についても、3Dプリンターで製作可能です。床や壁の厚み、階段の位置、吹き抜けの構造など内部構造を見て確認できます。断面部分を塗装することで、視覚的により分かりやすい模型が製作できます。
3Dプリンターを使って建物だけでなく、複雑な地形、高層ビル群などを含む都市そのものを再現することもできます。従来手作業で行っていたスチレンボードの切り出し、接着をすることなく、ドローンで撮影した地形データを作成して設定するだけで複雑な形状でも自動で造形できるため、短時間で都市の再現が可能です。また、縮尺データを反映し、傾斜のある複雑な地形でも精密に表現します。
建築予定地の周辺環境についても丸ごと模型として出力することで、図面を読むのが難しい顧客や住民が建物や周辺のイメージを直感的に把握することができます。また、周辺の建物や道路まで一体出力することで日照や風通し、街の景観などを一度に確認可能です。

株式会社梓設計は、フルカラーの石膏モデルを造形できるProJet660Proを導入し、建築模型の製作に活用しています。このプリンターを使用することで、建物全体ではなく一部を切り取った模型を迅速に製作し、家具や機材の納まりを確認できます。特に、細部まで再現できるので、設計段階での視覚的確認が容易になり、プロジェクトの進行がスムーズになります。設計者はより創造的なデザインを追求できるようになりました。

森ビルは、3Dプリンターを活用した都市模型を製作しています。この模型は、1/2000スケールで、建物外壁の表現を省略し、高品質かつ低コストで製作しました。プロジェクションマッピング技術を用いて、地下鉄や人口などの都市情報を模型上に投影することが可能です。都市の構造や課題を視覚的に理解しやすくし、広範囲なエリアの模型製作も容易になっています。

株式会社プラスデザインは、3Dプリンターを活用して建築模型を製作しています。依頼者の思いを具現化するため、模型を2つ製作し、関係者間のイメージ共有を促進するという活用方法です。従来の紙模型から3Dプリンターによる造形に切り替えたことで、精度が向上し耐久性も改善されました。経理担当も短期講習を受けて3Dソフトを習得し、独自のノウハウを蓄積し、迅速かつ高品質に模型が製作できるようになり、コンペでの競争力向上にも寄与しています。

日本でもトップ10に入る売り上げを誇っているゼネコンでの事例です。コンペではクライアントの案件説明から1か月ほどでプランを提出しなければならず、模型製作にかけられる期間も1・2週間と限られています。また製作については外注もしており変更対応がすぐにできない課題がありました。自社に置ける小型の3Dプリンターを導入したことで、2週間かかっていた模型製作が1週間で完了できるようになり、設計変更もすぐに対応できるようになりました。全体を提示するだけでなく、意匠や構造、設備などをワンフロアずつ造形することでクライアントが建物全体を理解できるような提案を行うこともできるようになっています。

バインダージェット3Dプリント技術は、熱ではなく色付きの結合剤を使って粉末状の砂岩材料を結合するものです。鮮やかなフルカラーの3Dk遠竹模型が製作できますが、表面に穴が多くもろい特徴があります。

プラスチック試作・実用部品まで幅広い3D造形政策を行っているグラフィック。3Dプリンターを用いて製作した建築模型では、プラスチックモデル・フィギュア原型造形はより細かく滑らかな形状の再現が可能で、住宅設計の完成イメージの共有、間取り、家具配置の確認ができます。頂点カラーで着色したり、壁紙や床材にテクスチャーを使ったりすることで再現度を高めることができます。
【目的別】商品開発・
製造を加速する
おすすめ産業用(業務用)
3Dプリンター3選を見る
Q. 建築模型では、図面の縮尺をそのまま3Dプリントできますか?
A.
細い壁や手すりは、縮尺どおりだと造形できない場合があります。
模型の目的を決め、必要な部分は厚みを強調したり別部品にしたりします。 例えば手すりや窓枠は、縮尺をそのまま適用すると薄すぎて折れることがあります。建物全体の見え方を保つ部分と、意図的に厚くする部分を分け、最小要素を試し出力します。
Q. 建築模型を分解式にするメリットは何ですか?
A.
内部の動線や設備配置を見せやすくなります。
外観だけを見せる模型とは組立方法が異なるため、閲覧する場面を先に決めてください。 プレゼン時に屋根や各階を外すなら、外す順番と持つ位置も設計条件です。磁石・ピンなどの固定方法を試し、繰り返し分解しても位置がずれないか確認します。
Q. 設計変更が多い建築模型は、どう作ると更新しやすいですか?
A.
建物や階を交換できる単位で分割します。
共通の台座と位置決めを設け、変更が起きやすい部分だけ差し替えられるようにします。 一部を差し替える模型では、交換部品だけ色や寸法が違うと変更が目立ちます。材料・造形条件・塗装色を記録し、次回も同じ台座へはめられるかを確認します。
次は、変更頻度の高い部分だけを交換できるか、試験組みで確認します。
外注待ちの長さ、ブレによるスピードの上げづらさ、大型・耐熱部品の作りにくさは、現場の生産性を下げます。 産業用(業務用)3Dプリンターを選ぶ際には、各課題解決に適した機能特徴を持つ製品を選ぶようにするとよいでしょう。ここでは、主な製造現場の課題別に、おすすめの製品を紹介します。


