食品業界においても、さまざまな場面で3Dプリンターが活用されています。こちらの記事では、食品業界において3Dプリンターが活用されている理由と実際の導入事例を紹介していきます。
食品業界において3Dプリンターを活用すると、人の手では再現が難しい複雑・繊細なデザインの食品製造が可能になります。さらに、同じ材料・同じレシピを使用することで再現度を高められますし、大量製造もでき、人手不足の解消にもつながります。
3Dプリンターは病院や介護施設などでも活用されています。このような施設ではひとりひとりに合わせた食事の提供が行われていますが、3Dプリンターを使用することによって栄養バランスを調整した材料を用意するのみでそれぞれに合った食事の提供が可能となります。 ただし多くの3Dプリンターは焼く・煮るといった調理を行えないため、この部分が必要な場合は人の手で行う必要があります。今後、製造から提供までの工程を自動で行えるよう、研究開発が行われています。
イギリスのスタートアップ企業「Rem3dy Health(レメディ・ヘルス)」は、3Dプリンター技術を用いたパーソナライズ・サプリメントグミを提供しています。
個々の健康状態・生活習慣に基づいてユーザーが自分で必要な栄養素を選択し、それをグミとしてカスタマイズすることが可能。利用者のニーズに応じた栄養素を提供するとともに、3Dプリンターを使用した製造プロセスとすることによって、それぞれの要望に対応した高精度・高品質な製品をスピーディーに提供できます。
パスタメーカーのBarilla社では、3Dプリントパスタブランド「BluRhapsody」を展開しています。その中で、フィンガーフード用の乾燥パスタである「FINGER FOOD 3D PASTA」や「Spaghetto 3D」を販売していますが、この商品は3Dプリンターを使用して製造されたものです。
上質な原料を使用したパスタによって料理に華やかさと創造性をもたらしてくれるため、飲食店はこの製品を活用することで独自性の高いメニューの提供が可能となります。
山形大学では、介護食品を製造するフード3Dプリンターの開発を行っています。このプリンターの活用によって、見た目が本物に近い介護食品を作れます。食材を細かく加工して、それぞれの嚥下能力に合わせた柔らかさや形状の食品を作ることが可能となるため、介護を必要とする人の生活の質向上につながることが期待されています。
今後、さらなる研究によって技術的な精度の向上やコスト削減、食品安全性の確保などの課題を克服することによって、介護食品のカスタマイズ・生産における新時代の到来が予想されています。
【目的別】商品開発・
製造を加速する
おすすめ業務用
3Dプリンター3選を見る
製造の目的・工程に合った3Dプリンターを導入することで、コスト短縮や納期短縮、生産性の向上といったメリットが得られるでしょう。ここでは、目的別におすすめの業務用3Dプリンターをご紹介します。
高精度造形で、温度差による歪みや反りもなく、現場での設備や治具作成に最適。高コストかつ複雑な自動車・電子製品の製造工程で、確実・迅速な現場改善や、組立性向上も実現。
日用品・食品など消費材の大量生産にも長く耐えられる主力複合基材をラインアップ。金属に代わる強度性能を持つ治具を製造・使用できるようになり、交換効率を向上できる。
大型部品の製造工程で必要とされるような、構成する部品点数が多い大型治具を軽量化し、一括造形することで、生産効率を高められる。部品によっては最終製品として使用も可能。
■おすすめの理由:Googleにて「業務用3Dプリンター」で検索上位の32社より、下記理由より選定(2024.3.20時点)
・アジリスタ…調査した3Dプリンターのうち、インクジェット方式で積層ピッチが最小の特徴を持つ製品
・Mark Two...調査した3Dプリンターのうち、繊維素材で高い強度を誇るカーボンファイバー素材を使用できる製品
・BIG PAD...調査した3Dプリンターのうち、樹脂素材で生産できる造形可能サイズが一番大きい製品品