こちらのページでは、業務用3Dプリンターでの造形作業後に発生してしまうサポート材除去について手間暇を軽減するためのポイントや解決の具体的手段、注意すべき点などを解説しています。例えば、水溶性材を用いたり専用ツールで自動化を行えば、開発スピードを劇的に短縮することが可能。朝に造形作業を行い昼には完成というワークフローも実現できます。ぜひ、参考にしてみてください。
業務用3Dプリンター、なかでもフィラメントを材料にもちいるFDM/FFF方式などの3Dプリンターでは、造形物の精度を安定させるためにサポート材が併用されます。例えばアルファベットの「T」の字の形状を造形する場合、サポート材が横棒部分を下から支える役割を担うことで、造形作業を安定させ完成品の精度を高めるという仕組みです。
しかしながら造形物の完成後は、サポート材は無用の長物。何らかの方法で造形物から除去する作業が必要となります。ちなみにサポート材は種類によって除去方法が異なり、大別するとニッパーややすりなどでの手作業で除去するブレークアウェイ系、水や熱などで溶かす溶解系、それらのハイブリッド方式があります。
上記でご紹介したなかでも、手作業での除去が必要となるブレークアウェイ系は、大きな手間暇を要し、造形物を誤って破損させてしまうリスクもあります。そうしたデメリットを解決するためには、溶解系のサポート材を使用する、自動化システムを構築するなどの方策があります。具体的には以下のような例があります。
PVAなどの水溶性サポート材は、造形後に水で溶かすことができる半面、湿気を吸収しやすい特性があり、湿った状態で使用すると3Dプリンターのノズルが詰まってしまう要因になります。そのため、保管時には乾燥庫の使用などが不可欠となります。また水溶性サポート材を用いるにはデュアルノズルタイプの3Dプリンターが必須となりますので、機種選定も自動化実現の大きな鍵。
なお水溶性サポート材は製品によって、温水を用いることで溶解速度を速めることができる場合もありますが、その際にはモデル材のフィラメントの耐熱温度も要確認。サポート材除去を急ぐあまり、せっかく造形した試作品が熱変形してしまっては本末転送です。
もうひとつ、設計時の工夫によってサポート材の使用量を減らすことも可能です。例えば造形物の向きを斜めにすれば土台のみにサポート材がつき造形物本体には付着しにくい。オーバーハング部分の角度が45°程度まではサポート材がつきにくい。可能であれば造形物を2つに分けるなどで、サポート材が付着する量を削減でき、ひいてはコスト抑制にもつながります。
水溶性サポート材は手作業での除去が困難な、複雑な形状や入り組んだ形状の試作品作成に適しており、例えば内部に空気の流路構造を持つ航空機部品や恐竜の骨格標本、製造部品の金型の嵌合隙間部確認などで大幅な時間短縮化、作業効率化が期待できます。
例えば前日の夜に作成した試作品をひと晩水に浸けておけば、翌朝には検討作業に入ることができます。また水溶性サポート材は超音波洗浄機を併用することで除去にかかる時間をさらに早めることも可能。開発にかかる時間を短縮し、スピーディーに量産体制を整えることに大きく寄与してくれるはずです。
3Dプリンターの登場は製造業界、とりわけ試作品製造やインダストリアルデザインの分野に大きな変革をもたらしましたがサポート材の除去という作業も付随することとなりました。しかし時代はもう一段階進み、作業者の指の疲労や納期遅延、品質バラつきを抑制できる、除去が容易なサポート材がお目見えしています。設計者が研究開発により集中できる環境を整えることができ、ひいては企業の競争力向上にもつながりますので、3Dプリンターのサポート材選びには、ぜひ本腰を入れてみてください。
外注待ちの長さ、ブレによるスピードの上げづらさ、大型・耐熱部品の作りにくさは、現場の生産性を下げます。 産業用(業務用)3Dプリンターを選ぶ際には、各課題解決に適した機能特徴を持つ製品を選ぶようにするとよいでしょう。ここでは、主な製造現場の課題別に、おすすめの製品を紹介します。


