3Dプリンターは、義手や義足の試作にも活用されています。ここでは、3Dプリンターを使った義手・義足の試作事例をご紹介します。
義手・義足など、身体的な支援技術を必要としている人は非常に多いにもかかわらず、「義手・義足は高価で買えない」という人が少なくありません。義手や義足は一人一人に合わせて形を整えなくてはならない上、専門の技術者による調整が必要なため、どうしても価格が高くなってしまうのです。さらに、義手・義足の中には「重い」「壊れやすい」といった課題を抱えたものもあるようです。
3Dプリンターを活用すれば、試作品を短時間かつコストを抑えて製作することが可能です。素材を工夫することで、重さや耐久性なども改善することができます。
東京のスタートアップ企業「Instalimb(インスタリム)」では、3DプリンターとAI=人工知能を組み合わせて、安価でさらに高性能な義足の開発を進めています。
義肢装具士が3Dスキャナーで撮影したデータをもとに3Dプリンターで義足を製作。義肢装具士が手作業で補正作業を行うことで、製作日数を1ヶ月から最短で1日に短縮し、価格も10分の1にすることができました。
AIを活用した電動義手の製作を行なっているNPO法人電動義手の会。「製作費用を抑えたいが、技術的な難易度が高く、市場も小さい」「試作や改善を重ねなくてはならない」という課題をクリアするのに、3Dプリンターを活用しています。
3Dプリンターなら、微修正や試行錯誤をスピーディーに繰り返すことが可能です。樹脂でプリントでき、軽量化できる点も魅力だそうです。
PSYONIC社は、3Dプリント、射出成形、シリコン成形、CNCマシンなどさまざまな加工方法を駆使して、これまでにない義肢装具「Ability Hand」を開発しました。
金型やさまざまな部品製作に3Dプリンターを活用し、可能な限り高解像度でプリントすることで、品質と低価格、製作期間の短縮を実現しています。
3Dプリンターの活用は、獣医学の世界でも進められています。事故、病気など、さまざまな事情で手足を失ってしまった動物は、これまで安楽死させられるのが一般的でした。
しかし近年、3Dプリンターで補填物を作る研究が進められています。ネブラスカ大学は、調整可能、取り外し可能、毒性がなく、コストのかからない猫の義肢を3Dプリンターで開発し、注目を集めました。
【目的別】商品開発・
製造を加速する
おすすめ業務用
3Dプリンター3選を見る
製造の目的・工程に合った3Dプリンターを導入することで、コスト短縮や納期短縮、生産性の向上といったメリットが得られるでしょう。ここでは、目的別におすすめの業務用3Dプリンターをご紹介します。
高精度造形で、温度差による歪みや反りもなく、現場での設備や治具作成に最適。高コストかつ複雑な自動車・電子製品の製造工程で、確実・迅速な現場改善や、組立性向上も実現。
日用品・食品など消費材の大量生産にも長く耐えられる主力複合基材をラインアップ。金属に代わる強度性能を持つ治具を製造・使用できるようになり、交換効率を向上できる。
大型部品の製造工程で必要とされるような、構成する部品点数が多い大型治具を軽量化し、一括造形することで、生産効率を高められる。部品によっては最終製品として使用も可能。
■おすすめの理由:Googleにて「業務用3Dプリンター」で検索上位の32社より、下記理由より選定(2024.3.20時点)
・アジリスタ…調査した3Dプリンターのうち、インクジェット方式で積層ピッチが最小の特徴を持つ製品
・Mark Two...調査した3Dプリンターのうち、繊維素材で高い強度を誇るカーボンファイバー素材を使用できる製品
・BIG PAD...調査した3Dプリンターのうち、樹脂素材で生産できる造形可能サイズが一番大きい製品品