ここでは、3Dプリンターでエンジンの試作を行った事例をご紹介します。3Dプリンターの導入を検討している方、活用法の見当がつかない方は、ぜひ参考にしてください。
3Dデータをもとに、どんなに複雑な立体形状でもスピーディーに作り出せる3Dプリンター。自動車や飛行機のエンジン部分には複雑な形状の部品が多く、3Dプリンターとは相性が良いと言えます。
エンジン部品の試作に3Dプリンターを活用することで、開発から製作にかかる費用の削減や製作期間の短縮、メンテナンスでの効率化といったメリットが得られます。
また、電気自動車や電動バイクが普及し、エンジンを搭載したバイク、車の補修部品や純正部品が入手しづらくなる中で、3Dプリンターによる部品の需要が高まる可能性も考えられます。
ドイツの高級自動車メーカー ポルシェは、「ポルシェ911 GT2RS」のエンジンを3Dプリンターで製造しています。
3Dプリンターを使用することで、10%の軽量化に成功。さらに、従来の方法では成形できなかった冷却ダクトを設けることで、エンジンの回転数を300rpm上げ、約30psのパワーアップを実現することができました。
アメリカのパデュー大学は、大型金属3Dプリンターを使って、実物大かつ完全に動作するスクラムジェットエンジンの試作品を開発しました。
スクラムジェットエンジンとは、次世代の飛行機や、宇宙輸送機向けのエンジンとして注目されているエンジンのこと。これまではテスト用の小型エンジンしか造形できていませんでしたが、この成功により、生産速度とコスト効率の向上、経費削減などが期待されています。
高性能市販ロードレーサーとして世界的に高く評価されているホンダのカブレーシングCR110。この8速レーシングエンジン用のシリンダーを3Dプリンター技術で作成しました。
不安要素は数多くあったものの、実走行テストでは、常用1万3000rpmという高回転領域で走行。トラブルや事故もなく安定走行することができました。
【目的別】商品開発・
製造を加速する
おすすめ業務用
3Dプリンター3選を見る
製造の目的・工程に合った3Dプリンターを導入することで、コスト短縮や納期短縮、生産性の向上といったメリットが得られるでしょう。ここでは、目的別におすすめの業務用3Dプリンターをご紹介します。
高精度造形で、温度差による歪みや反りもなく、現場での設備や治具作成に最適。高コストかつ複雑な自動車・電子製品の製造工程で、確実・迅速な現場改善や、組立性向上も実現。
日用品・食品など消費材の大量生産にも長く耐えられる主力複合基材をラインアップ。金属に代わる強度性能を持つ治具を製造・使用できるようになり、交換効率を向上できる。
大型部品の製造工程で必要とされるような、構成する部品点数が多い大型治具を軽量化し、一括造形することで、生産効率を高められる。部品によっては最終製品として使用も可能。
■おすすめの理由:Googleにて「業務用3Dプリンター」で検索上位の32社より、下記理由より選定(2024.3.20時点)
・アジリスタ…調査した3Dプリンターのうち、インクジェット方式で積層ピッチが最小の特徴を持つ製品
・Mark Two...調査した3Dプリンターのうち、繊維素材で高い強度を誇るカーボンファイバー素材を使用できる製品
・BIG PAD...調査した3Dプリンターのうち、樹脂素材で生産できる造形可能サイズが一番大きい製品品