アジリスタは積層ピッチ15㎛の高精細造形を実現。さらに、水溶性サポート材を採用した業務用3Dプリンターです。ここでは、アジリスタの業務用3Dプリンターの活用事例や強みなどについてまとめました。
導入前は試作品を内製できる仕組みがなく、3Dの設計データを顧客に提供した後に不具合がでればその都度対処というやり方で、手間とコストがかかることが課題となっていました。
アジリスタは造形が高精度なため実際に動作させるなど十分な設計の検証が行えるとし採用が決定。設計不具合による手戻りが60%も減り、設計のリードタイムも15%削減が実現できたそうです。
電気錠を開発・製造する企業では、キーパッドやシリンダーカバーなどアジリスタで造形した試作品を製品の企画・開発に活用しています。
導入してからは、ギアやレバーなどの筐体内の動作やデザイン細部の確認、さらにこれまで難しかった漏水チェックも行えるように。従来の3Dプリンターと比べて大きく活用の幅が広がっているようです。
アジリスタは、積層ピッチ15㎛を誇り、さらに256個からなるノズルから樹脂を少量ずつ吐出して造形するため、寸法精度を出しやすいのが強みであり、再現性の高い造形が行えます。また、樹脂自体に靭性をもたせているので、作ったモデルをビス止めしても割れません。
使用する樹脂は、アクリルにウレタンを混ぜて柔らかく靱性をもたせているのが特徴です。他の樹脂と違って、ネジを締めても割れない強靭性があります。また、適度な透明性もあるため、内部を目視チェックする試作品製作にも活用できるでしょう。
この他、簡易型を使わずにシリコーンゴムの造形も行えます。
3Dプリンターで設備や治具を作る上で、造形したモデルの変形は非常に頭を悩ませるポイントです。アジリスタは、熱溶解方式と異なり加熱することがないため、造形物の反り返りを低減できます。また、UV硬化樹脂を使用する3Dプリンターにありがちな「吸水による変形」に関しても、吸水率の低い樹脂を開発することで、最小限に抑えています。
アジリスタは、水溶性のサポート材を採用しています。水に付け込んでおくだけで、細かな隙間まできれいにサポート材を除去できるのが特徴です。柔らかい素材のため、すぐに造形物を使用したい場合はサポート材を手で除去することもできます。
設備や治具を作りたい場合、「確実に再現できる精度」「変形しないモデル」「割れない靭性」という3つの項目が重要です。“治具”というのは文字通りものを安定して治める必要があるため、精度が高く変形が少ないことが条件となります。
しかし精度が高いだけでは治具は機能しません。現場の治具は大抵何かと組み合わせて使うことが多いですが、これまでの3Dプリンターの造形モデルはネジを締めると割れてしまいました。アジリスタはインクジェット方式で積層ピッチ15㎛と高精細造形が可能で変形しづらく、かつ割れない靭性を持ち合わせているため、設備や治具の内製に適しています。
さらに、商品設計段階から製造工法や治具の検証を行い、製造工程のシミュレーションを行えるようにすることで、開発プロセスのフロントローディング化にも貢献。組立性の向上による製造コストダウンや、迅速な製造立ち上げを実現します。
製造の目的・工程に合った3Dプリンターを導入することで、コスト短縮や納期短縮、生産性の向上といったメリットが得られるでしょう。ここでは、目的別におすすめの業務用3Dプリンターをご紹介します。
高精度造形で、温度差による歪みや反りもなく、現場での設備や治具作成に最適。高コストかつ複雑な自動車・電子製品の製造工程で、確実・迅速な現場改善や、組立性向上も実現。
日用品・食品など消費材の大量生産にも長く耐えられる主力複合基材をラインアップ。金属に代わる強度性能を持つ治具を製造・使用できるようになり、交換効率を向上できる。
大型部品の製造工程で必要とされるような、構成する部品点数が多い大型治具を軽量化し、一括造形することで、生産効率を高められる。部品によっては最終製品として使用も可能。
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