製造業で多品種小ロット化が求められていること、そして、寸法精度の高い治具が求められていることなどを背景に、3Ⅾプリンターで治具を製作する現場が増えています。
3Dプリンターで治具を製作するメリットは、製作期間やコストを削減できること、治具の変更を早く行えること、アイディアを形にしやすいことなどです。
ここでは、3Dプリンターによる治具製作の事例と利用者の声をご紹介します。治具製作に課題を感じている方、3Dプリンターの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
3Dプリンターを使用して、ノズル先端付近にゴム製のOリングをはめるための、ノズルにかぶせるコーンキャップ状の治具などを作っています。キーエンスの3Dプリンターは、造形物の姿勢や配置を自動で調整してくれる機能がついていてとても便利です。
ユーザーインターフェースが日本語なのも、わかりやすくていいですね。
以前は熱溶融積層式の3Dプリンターを使っていたのですが、造形物に負荷がかかるたび、積層の境界で簡単に割れていました。このため、形状確認や部品の納まりをチェックする程度の用途にしか使えませんでした。
キーエンスの3Dプリンターを導入してからは、造形物にある程度の強度があるため、実験用の器具や治具も作れるようになりました。複雑な形状の器具や治具が必要になった時に助かっています。
貨物船を動かす大型エンジンの製造に必要な治工具。これまでは製造を外注していましたが、外注では、必要に応じた設計変更に迅速に対応することができません。コストも工数もかかることが課題でした。
そこでMarkforged社と連携し、3Dプリンターで吊り上げ治具を製作。240kgのエンジン・ピストンを持ち上げることに成功しました。
光を検出する装置の製造・販売などを行っている東北電子産業株式会社では、業務用3Dプリンターで製品を置く台や固定治具を作成しています。
3Dプリンターを活用することで、気軽に治具を用意できるようになり、コストカットや作業効率向上を実現できました。社内からも「こういう治具が欲しい」とさまざまな相談が寄せられるようになったそうです。
【目的別】商品開発・
製造を加速する
おすすめ業務用
3Dプリンター3選を見る
製造の目的・工程に合った3Dプリンターを導入することで、コスト短縮や納期短縮、生産性の向上といったメリットが得られるでしょう。ここでは、目的別におすすめの業務用3Dプリンターをご紹介します。
高精度造形で、温度差による歪みや反りもなく、現場での設備や治具作成に最適。高コストかつ複雑な自動車・電子製品の製造工程で、確実・迅速な現場改善や、組立性向上も実現。
日用品・食品など消費材の大量生産にも長く耐えられる主力複合基材をラインアップ。金属に代わる強度性能を持つ治具を製造・使用できるようになり、交換効率を向上できる。
大型部品の製造工程で必要とされるような、構成する部品点数が多い大型治具を軽量化し、一括造形することで、生産効率を高められる。部品によっては最終製品として使用も可能。
■おすすめの理由:Googleにて「業務用3Dプリンター」で検索上位の32社より、下記理由より選定(2024.3.20時点)
・アジリスタ…調査した3Dプリンターのうち、インクジェット方式で積層ピッチが最小の特徴を持つ製品
・Mark Two...調査した3Dプリンターのうち、繊維素材で高い強度を誇るカーボンファイバー素材を使用できる製品
・BIG PAD...調査した3Dプリンターのうち、樹脂素材で生産できる造形可能サイズが一番大きい製品品