3Dプリンターは、家具・インテリアの試作にも活用されています。ここでは、3Dプリンターを使った家具・インテリアの試作事例をご紹介します。
大量生産がメインの家具・インテリア業界では、ユーザーに合わせてカスタマイズをしたり、アレンジを加えたりすることができません。しかし近年は、大量生産されたモデルよりも、より個人の好みに合わせてカスタマイズできる個性的な家具・インテリアが好まれるようになっています。
そこで注目されているのが、3Dプリンターです。3Dプリンターなら、複雑なデザインでも短時間でコストをかけずに作ることが可能です。多様な素材が使えるため、これまで廃棄していた材料や、リサイクル材などを活用して家具作りを行うなど、さまざまな試作が行われています。
ここでは、3Dプリンターで家具・インテリアの試作を行った事例をご紹介します。3Dプリンターの導入を検討している方、活用法の見当がつかない方は、ぜひ参考にしてください。
家具・インテリアにおいて3Dプリンターはどのような使われ方をするのでしょうか。ここでは、家具やインテリアへの使われ方を解説をします。
業務用3Dプリンターを家具・インテリアに活用すると、複雑な幾何学デザインの実現につながります。従来の木工や金型成形では不可能だった「複雑な形状」や「一体成形」が可能とされています。
また、ジェネレーティブデザインという、AIが構造強度を計算して生成した、有機的で複雑な形状をそのまま形にすることもできます。
上記のほかには、ラティス構造も可能となっており、内部を格子状にすることによって、強度を維持しながらも驚異的な軽さを実現でき、クッション性を持たせることも可能です。
「個人の体型」や「特定の空間」などに合わせた一点物の家具の製造にも適しています。
体型にフィットする椅子は、 座る人の体圧分散データをもとに、座面の硬さや形状を最適化したオーダーメイドチェアです。このように身体にフィットした家具は、快適な使い心地であり、疲れにくいのがメリットです。
また、建築空間への適合も可能であり、 既存の建物の複雑な隙間にぴったり収まる収納ジョイントや装飾パーツを作成できます。
すべて3Dプリントを用いるのではなく、「ジョイント(継ぎ手)」として活用する手法も注目されています。
例えば、木材や金属パイプをつなぐ複雑な角度のジョイント部分のみ3Dプリントして、組み立て式の家具を構成するのに活用できます。
リペア(修理)として活用も可能で、廃番になった古い家具の部品を3Dスキャンして複製し、長期的に使い続けるための修理パーツの作成にも役立つでしょう。

大型3Dプリンターによる造形や試作部品製作を行っている前田技研社は、3Dプリンターで椅子を製作し、「人とくるまのテクノロジー展2023」で展示しました。
3Dプリンターでしか作れないオリジナリティや風合いが魅力。椅子には、杉間伐材を使用した「TABWD(タブウッド)」を使用しており、リサイクルすることが可能です。

業務用家具メーカーの株式会社アダルと株式会社井上企画が、広葉樹の廃材を活用して、名作家具「リンクラウンジ」を復刻しました。
「リラクラウンジ」は、本来の方法で製作しようとすると、大型の金型を作らなくてはなりません。また、大量の電力を消費する高周波プレスも必要なためコストがかかり、大量生産が前提とされていました。
しかし、3Dプリンターを活用すれば、短時間で1台から生産が可能に。商品化の予定はありませんが、「こういう家具が3Dプリンターで作れるんだ」と大きな反響を呼びました。

「ミラノサローネ国際家具見本市 2023」の若手デザイナーを対象とした「サローネサテリテ・アワード」で、3Dプリント家具シリーズがグランプリを受賞しました。
グランプリを受賞したのは、畳を製造する中で廃棄されてしまう「い草」を素材として活用した家具シリーズです。デザイン性だけでなく、廃棄素材を活用したアイディアも高く評価されました。

オフィス家具大手のイトーキは、3Dプリンターを活用した家具製造の研究を開始したことを発表しました。慶応義塾大学と共同で行っており、10年後の実用化を目指しています。
従来の金型に素材を流し込む製造法だと、金型の製造コストがかかり、少量生産では採算が取りにくいといった問題があります。しかし、3Dプリンターを使った製造なら、コストや環境負荷の低減につながるほか、少量生産に対応しやすい利点があります。
記者発表会の席にて、3Dプリンターを活用したオフィス用デスクを公開。人工知能(AI)で設計を行い、樹脂素材の天板を製造します。

井上企画が手掛けたコロノチェアの事例。同社では、材料開発から3Dプリントを活用した試作・量産まで、トータルソリューションを提供している企業です。伝統的な木工技術と3Dプリント技術を融合させた次世代家具作りも展開。美しい木のフレームを用いているほか、3Dプリント製のパーツを取り付けています。

Model No. は、環境を考慮した家具デザインへのコミットメントの一部として、家具の各部分の構成のため3Dプリント技術を活用しています。同社の3Dプリントを用いた製品は、すべてリサイクル樹脂とバイオ樹脂からできており、有害な石油化学製品を使用せず、柔軟なカスタマイズが可能です。
【目的別】商品開発・
製造を加速する
おすすめ産業用(業務用)
3Dプリンター3選を見る
外注待ちの長さ、ブレによるスピードの上げづらさ、大型・耐熱部品の作りにくさは、現場の生産性を下げます。 産業用(業務用)3Dプリンターを選ぶ際には、各課題解決に適した機能特徴を持つ製品を選ぶようにするとよいでしょう。ここでは、主な製造現場の課題別に、おすすめの製品を紹介します。


