3Dプリンターは、自転車部品の製造・カスタマイズにも活用されはじめています。自転車を愛用している人は、自分に合わせてカスタマイズしたいと思っている人が少なくありません。そのようなニーズに応えるためには、小ロットでもコストを抑えて部品を製造する必要があります。3Dプリンターはそんなニーズに応えられる技術です。ここでは、自転車部品製造に3Dプリンターが使われる理由と導入事例を紹介します。
自転車部品の製造・カスタマイズに3Dプリンターが使われる理由のひとつは、コストの削減です。3Dプリンターを使用することで、従来の製造方法と比較して、部品の生産コストを数分の1に抑えることができ、限られた予算でもさまざまなタイプの自転車の開発にチャレンジできます。
また、スピーディに作成できることも3Dプリンターが使われる理由のひとつです。複雑な部品でも3Dプリンターなら5~8時間程度で作成できます。プロトタイプのスピードが大幅に向上し、設計の迅速な変更や改良が可能になり、開発プロセス全体を加速できます。

自転車のペダル部と後輪部を結ぶチェーンの中継歯車を覆う保護板部分が破損しました。該当パーツの再入手が困難だったため、3Dプリンティングによるパーツ製造ができないかと考え、3D Printing Corporation に依頼。該当パーツの寸法と写真から推測してパーツを3Dプリントしました。デザインにもこだわりましたが、3Dデータが完成するまでは1時間未満、造形は3Dプリンターが1日以内で完成させました。

シリコンバレーのベンチャー企業AREVO, Inc. で、3Dプリンティング技術を活用した世界初のオーダーメイドユニボディカーボンファイバー製スポーツバイク『Superstrata(スーパーストラータ)』がリリースされました。3Dプリンターでオーダーメイドカスタムする仕組みです。従来は加工が難しかった連続カーボン複合材を使用した継ぎ目のないユニフレーム構造を可能に。軽く耐衝撃性の高い自分だけの自転車が作れます。

有限会社TSDESIGN では、アルミ削り出し部品の外注に頼らずマウンテンバイクのカスタムパーツの機能試作を行えるよう、長繊維カーボンファイバーで樹脂パーツを強化できるMarkforged社のMark Two を導入しました。ライダーの好みやホイール径の違いに対応できるカスタム性の幅が広がっています。小ロットで外注する場合と比較して、大幅に納期が短縮できコストも削減できました。
【目的別】商品開発・
製造を加速する
おすすめ産業用(業務用)
3Dプリンター3選を見る
外注待ちの長さ、ブレによるスピードの上げづらさ、大型・耐熱部品の作りにくさは、現場の生産性を下げます。 産業用(業務用)3Dプリンターを選ぶ際には、各課題解決に適した機能特徴を持つ製品を選ぶようにするとよいでしょう。ここでは、主な製造現場の課題別に、おすすめの製品を紹介します。


