ここでは、3Dプリンターによるロボットアームのカスタマイズ事例をご紹介します。ロボットアームを最適化したい方は、ぜひ参考にしてください。
近年、製造現場で活用されているロボットアームですが、基本的な動作はモノを「つかむ」「はなす」「はける」だけ。このため、製造現場によっては「使いにくい」「使いこなせない」「限られた場面でしか使えない」と不満を抱えるケースが多いようです。
より現場に即したロボットアームにするには、先端(ハンド)の形を変えるなどカスタマイズが必要ですが、カスタマイズには開発費やコストがかかります。そこで注目されているのが、3Dプリンターです。
NASA、GoogleX、東芝などにロボットアームとキットを供給しているHaddington Dynamics社では、「より強度が欲しい」という導入顧客のニーズに応えるため、3Dプリンターを活用しました。
プリンターを導入してから約3週間で、強度を高めたロボットの再設計に成功。時間やコストなどを大幅に節約できました。
ALL AXIS ROBOTICS社では、MakerBot METHOD X 3Dプリンターを使用して、ロボットアーム用カスタムパーツを造形しました。従来は、社内CNCマシンを使用して24時間かかっていましたが、3Dプリンターなら作業時間は約10分。
強く耐久性のあるABS材料を使用して、誤差±0.007in(±0.2 mm)の厳しい精度が要求される部品を作成できました。
ロボットアームでマテハンを自動化していましたが、対象ワークが変更となるたびに、ソフトウェアの設定変更や、ロボットアームのツメを調整しなくてはなりませんでした。とくにツメは外注先に特注しなくてはならず、製造期間が長い点が課題。
そこで、3Dプリンターを導入してツメを内製化したところ、コスト削減、納期短縮を実現できました。
【目的別】商品開発・
製造を加速する
おすすめ業務用
3Dプリンター3選を見る
製造の目的・工程に合った3Dプリンターを導入することで、コスト短縮や納期短縮、生産性の向上といったメリットが得られるでしょう。ここでは、目的別におすすめの業務用3Dプリンターをご紹介します。
高精度造形で、温度差による歪みや反りもなく、現場での設備や治具作成に最適。高コストかつ複雑な自動車・電子製品の製造工程で、確実・迅速な現場改善や、組立性向上も実現。
日用品・食品など消費材の大量生産にも長く耐えられる主力複合基材をラインアップ。金属に代わる強度性能を持つ治具を製造・使用できるようになり、交換効率を向上できる。
大型部品の製造工程で必要とされるような、構成する部品点数が多い大型治具を軽量化し、一括造形することで、生産効率を高められる。部品によっては最終製品として使用も可能。
■おすすめの理由:Googleにて「業務用3Dプリンター」で検索上位の32社より、下記理由より選定(2024.3.20時点)
・アジリスタ…調査した3Dプリンターのうち、インクジェット方式で積層ピッチが最小の特徴を持つ製品
・Mark Two...調査した3Dプリンターのうち、繊維素材で高い強度を誇るカーボンファイバー素材を使用できる製品
・BIG PAD...調査した3Dプリンターのうち、樹脂素材で生産できる造形可能サイズが一番大きい製品品