
Mark Twoは、軽量化・耐久性を叶えたい試作品・部品などのプリントを実現してくれる機能が魅力の3Dプリンターです。ここでは、Mark Twoの産業用(業務用)3Dプリンターの活用事例や強みなどについてまとめました。
産業用ドローンを製造する企業では、非破壊検査用の近接センターを搭載するためにドローンを軽量化させることが課題となっていました。そこで、展示会で出会ったMark Twoを導入。決め手となったのは、軽量化と強度、精度の再現性でした。また、0.02mmオーダーに対応できる点も高く評価されています。
3Dプリンターの活用によって歩留まりが良くなり、ドローンの製造時間が最大1/3まで削減。ロスタイムが無くなり、製品開発の方に注力できるようになったそうです。
Mark Twoを含む樹脂3Dプリンターで寸法傾向を把握する際には、評価ブロック(穴径・ボス径・段差・ピッチ)を複数個造形し、ノギスやピンゲージで平均値とばらつきを測定します。結果に応じてスケールやオフセットの社内基準を定め、設計側のクリアランス値に反映することで、同条件での再現性を高めやすくなります。最終的には、評価結果と社内要求公差のギャップを確認し、要求精度に対して適合しているかどうかで採用可否を判断します。
軽量化と剛性の両立には、ベース材(Onyx等)で外観や耐摩耗性を確保しつつ、連続繊維で主応力方向の曲げやねじりを受ける配向を設定することが有効です。荷重方向に合わせた0°の繊維で曲げ剛性を確保し、せん断対策として±45°、プレート状の部品では90°を組み合わせるなど、目的に応じて繊維角度を組み合わせるのが基本的な考え方です。

加工が難しいと言われるカーボンファイバー(炭素繊維)の造形を可能にした3Dプリンターです。鉄やアルミニウムよりも軽くて高い強度をもつ造形物をプリントできるのが特徴。大きさも584x330x355mmとコンパクトなため卓上でプリント作業ができ、数千時間の使用にも耐えられる仕様となっています。
ベース材は形状再現と表面品位、連続繊維は曲げやねじり強度を主に担います。外層では積層痕を抑えつつ耐摩耗性を確保し、内部ではインフィルパターンと繊維レイアップを組み合わせて剛性を最適化することで、金属治具に近い強度と質感の両立を図ることができます。
カーボンファイバーの他にも、ファイバーグラスやケブラーといった特殊素材も扱えます。
また、MarkforgedのOnyxやナイロンを使って表面仕上げができるので、耐久性がありながらも外観の美しい造形物も製作できます。
高温環境での使用や射出成形用試作型など、耐熱性が求められる用途では、高強度高耐熱(HSHT)ファイバーグラスを選定することで、温度負荷のかかる条件下でも強度を維持しやすくなります。
材料選定の目安としては、高剛性が必要な場合はカーボンファイバー、衝撃や摩耗に対してタフさを求める場合はケブラー、耐熱性を重視する場合はHSHTファイバーグラス、強度とコストのバランスを取りたい場合はファイバーグラス、外観や表面の質感を重視する場合はOnyxをベース材とする、といった使い分けがしやすい構成になっています。各材料の特性は、簡易な評価片を造形して実測しておくと、設計段階での材料選定が行いやすくなります。
Mark Twoであれば、機械加工に必要な治具、ジョー、取付具などのパーツに対してアルミニウムを使うよりも強度を高められます。3Dプリンターによって製造時間も短縮できるので、コスト削減も期待できるでしょう。その上、Mark Two独自の連続カーボンファイバーであれば、プリントしてその日のうちに使用も可能です。
本体寸法は幅584mm×奥行330mm×高さ355mm、質量は約16kgで、一般的な設計室や製造現場の作業台にも収まるデスクトップサイズです。ビルドボリュームは320mm×132mm×154mmで、治具や小~中型部品の造形を想定したワークエリアとなっています。Z軸の分解能は100〜200µmで、用途に応じて層高を使い分けることで、造形時間と表面品位のバランスを調整できます。プリント媒体は複合ベースフィラメントと連続繊維で構成され、内部は連続繊維強化材を用いた独立気泡状のインフィルと、精密研削された複合材料プリントベッドの組み合わせにより、高い再現性と剛性を両立した造形が可能です。
Mark Twoは、熱溶解積層方式(FFF)でOnyxやナイロン、Precise PLA、Smooth TPU 95Aといった樹脂系ベース材を造形しつつ、連続繊維強化(CFR)によってカーボンファイバー、ファイバーグラス、HSHTファイバーグラス、ケブラーなどの連続繊維で内部を補強する複合材3Dプリンターです。造形サイズは320×132×154mmで、Z軸分解能は100〜200µmに設定されています。専用のクラウドベースソフトウェア(Eiger)でパーツデータを準備し、ベース材と連続繊維の組み合わせやレイアップパターンを指定することで、設計から造形まで一連のワークフローを一元的に管理できます。
精度に影響する要素としては、まず層高設定が挙げられます。層高を小さくすると段差が目立ちにくくなり、面の品位が向上する一方で、造形時間は長くなります。外層数や壁厚は面の剛性と外観に関わり、外層を増やすことで、タップ加工やボルト締結に耐えるねじ穴まわりの剛性を高めることができます。連続繊維は、0°で主荷重方向の曲げ剛性を高め、±45°でねじりやせん断を負担し、90°でプレート面内の剛性を補う役割を持ちます。穴まわりや薄肉部では、壁厚・外層数・繊維角度のバランスをとり、必要に応じてリーマやタップなどの後加工を前提とした設計にすることが精度確保のポイントです。
寸法精度や再現性を確認する際は、まず同一条件で評価用テストピースを複数造形し、代表寸法の平均値と標準偏差やレンジを測定して傾向を把握します。その結果に応じて、全体スケールの補正値や穴径・ボス径といった重要寸法に対する設計上のオフセット量を決めると、図面値とのずれを系統的に抑えやすくなります。クリアランスが必要な穴やスロットについては、造形時にはやや小さめの設計とし、必要な箇所のみリーマやドリルで仕上げる運用にすることで、工数を抑えつつ要求公差を満たすことができます。最終的には、実測データが社内で定めた要求精度を満たしているかどうかを基準に、Mark Twoでの内製化対象とするかを判断します。
| 材料 | 区分 | 特性の要点 | 用途イメージ |
|---|---|---|---|
| Onyx | ベース材 | ナイロン系をベースにマイクロカーボンを充填した複合材で、黒色で表面が滑らか、寸法安定性と耐摩耗性のバランスに優れた標準材料です。 | 治具本体、取付具、外観も重視するエンドユース部品のベース材、機械周辺部品など。 |
| カーボンファイバー | 連続繊維 | 6061-T6アルミニウムに匹敵する高い比強度と剛性を持ち、特に曲げ・引張方向の剛性向上に有効な連続繊維です。 | アルミ治具代替を狙うブラケット、クランプ、エンドエフェクタ、ロボット用構造部品など。 |
| ファイバーグラス | 連続繊維 | カーボンファイバーほどの剛性はありませんが、一般的な樹脂部品よりも高い強度を確保しつつ、材料コストを抑えやすいエントリー向け連続繊維です。 | コストと強度のバランスを重視する治具、固定具、補強リブ、検査用治具など。 |
| HSHTファイバーグラス | 連続繊維 | 高強度と高温時の強度を両立した耐熱連続繊維で、アルミニウムに近い強度を持ち、高温環境でも性能を維持しやすい特性があります。 | 樹脂型や射出成形用試作型、高温環境で使用するフィクスチャ、高温プロトタイプなど。 |
| ケブラー | 連続繊維 | 衝撃エネルギー吸収と耐摩耗性に優れ、繰り返し衝突や擦れが発生する環境でも破断しにくいタフな連続繊維です。 | 搬送用エンドエフェクタ、ワーク保護を重視する治具、衝突リスクのあるガードや受け部品など。 |
| ナイロン | ベース材 | 靭性と耐摩耗性に優れ、繰り返し荷重や曲げ応力が加わる用途でも粘り強い挙動を示す樹脂材料です。 | ヒンジ部、スナップフィット、摺動ガイド、ケーブルガイドなど繰り返し変形を伴う部品。 |
| Precise PLA | ベース材 | 反りが少なく寸法安定性に優れたプロトタイピング向け材料で、色バリエーションと低コスト性を兼ね備えています。 | 外形・フィット確認用試作、色分けサンプル、意匠検討用モデルやデザインレビュー用モックアップ。 |
| Smooth TPU 95A | ベース材 | ゴムのような柔軟性と高い衝撃吸収性を持つエラストマー材料で、変形追従性やグリップ性が求められる用途に適しています。 | ガスケット、保護カバー、グリップ、バンパー、フレキシブルなエンドエフェクタやクッション部品。 |
層高は表面品位と造形時間のトレードオフとなるため、外観や段差の見え方を重視する治具や意匠確認用パーツでは100µm側を、試験的な評価片やラフな治工具ではより粗い設定側を選ぶと、時間と品質のバランスを取りやすくなります。ベース材は表面品質や耐摩耗性・柔軟性を左右するため、外観と使用環境からOnyx、ナイロン、Precise PLA、Smooth TPU 95Aなどを選定します。
連続繊維のレイアップは曲げ・ねじり剛性を決定づける要素となるため、荷重方向と繊維方向をできるだけ一致させたうえで、0°/±45°/90°の組み合わせを検討すると、金属治具に近い剛性を安定して得やすくなります。これらの条件をEiger側のプリセットや社内標準条件として整理しておくことで、造形ごとのばらつきを抑えながら、再現性の高い治具・部品を継続的に内製する運用がしやすくなります。
外注待ちの長さ、ブレによるスピードの上げづらさ、大型・耐熱部品の作りにくさは、現場の生産性を下げます。 産業用(業務用)3Dプリンターを選ぶ際には、各課題解決に適した機能特徴を持つ製品を選ぶようにするとよいでしょう。ここでは、主な製造現場の課題別に、おすすめの製品を紹介します。


