こちらの記事では、産業用(業務用)3Dプリンターの価格相場について解説しています。価格帯によって異なる用途や、価格に影響する要素などもまとめています。産業用(業務用)3Dプリンターの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
価格帯による違いは、造形方式や造形サイズ、材料、精度、メーカーなど。産業用(業務用)として最も需要が高いのは数十万円の機種で、次いで100〜500万円程度の機種となっています。
ハイエンド機種は、高精度、高速出力で金属や複雑な形状も造形できます。産業用に、より適した技術を搭載していますが、使いこなすためのスキルが必要です。
価格帯相場を前項で大きく3つに分けましたが、それぞれの価格帯で主な用途をまとめました。
| 価格帯 | 主な特徴・用途例 |
|---|---|
| 80〜200万円 | 小型部品・試作・教育機関向け |
| 200〜500万円 | 中型部品・治具・製品開発 |
| 500万円〜数千万円 | 大型部品・最終製品・高精度・特殊材料対応 |
3Dプリンターには以下の7つの造形方式があります。
この造形方式により扱える材料や、仕上がり時の表面形状などが異なります。使用したい材料(樹脂、金属、複合材など)によっても選ぶべき造形方式が違います。
また造形精度・速度、アフターサービス、メンテナンスの有無によっても3Dプリンターの価格に大きな差が出ます。
3Dプリンターで何を作りたいのか、どのように使いたいのかを明確にし、何が必要で何が不要なのかをしっかりと見極める必要があります。
産業用(業務用)3Dプリンターは、導入後にも運用コストがかかります。装置を稼働させるための電気代をはじめ、材料費は活用するたびにかかるコストです。
また消耗品やメンテナンス費、設置費用など、本体価格以外にかかる費用も、忘れずに計算しましょう。
導入後の保守契約やアップグレード費用も、最初に確認することが大切です。特に導入初年度は、本体価格の30〜50%程度の費用が、材料費や保守などで発生すると考えておくとよいでしょう。
産業用(業務用)3Dプリンターを「価格」だけで選ぶと、期待した造形ができない場合があります。用途や必要な性能、サポート体制など、総合的な視点で選定することが重要です。
産業用(業務用)3Dプリンターの価格は、造形形式や造形できる材料の種類などによって大きな幅があります。
産業用(業務用)3Dプリンターを選ぶ際には、試作・治具・最終製品など「何に使うのか」という目的を明確にしましょう。使用目的が明確になれば、選ぶべき機種がはっきりします。
用途が曖昧なまま選ぶと、スペック過剰や不足となり、費用対効果が下がる原因となります。
3Dプリンターは、造形方式によって造形可能な材料や強度、精度などが大きく異なります。実際の業務で求められている仕様を整理して、必要な条件を満たす機種を選定しましょう。
整理する際には、「MUST要件」と「WANT要件」を分けて検討すると、より明確になります。
3Dプリンターは造形方式によって材料が異なります。材料押出法(MEX)では、熱可塑性樹脂などの材料を使用します。一方、指向性エネルギー堆積法(DED)では粉末やフィラメント状の金属を使用します。
造形方式ごとの材料や得意分野を確認し、自社の用途や業界標準にあった方式を選ぶことで、失敗や追加コストを防ぐことができます。
産業用(業務用)3Dプリンターを長期運用するためには、導入後のトラブル対応や保守、部品供給、技術サポートが欠かせません。サポート体制が充実しているメーカーや販売店を選ぶことが、将来的にコストを抑えることにつながります。
産業用(業務用)3Dプリンターは、本体以外にも後処理機器や換気設備、設置スペースなどが必要な場合があります。導入前に設置スペース、装置に適した設置環境、必要な付帯設備などを導入前に確認しましょう。
場合によっては環境整備のために追加コストが必要なこともあるので、しっかり把握しておきましょう。
自社の使用用途を明確にしたら、自社の使用目的に近い導入実績や事例を参考にしてみましょう。意外な用途の発見や、方法の参考にもなり、失敗リスクを減らすことができます。
ショールーム見学やサンプル造形の活用も有効です。メーカーにショールームがあれば、ぜひ足を運びましょう。
産業用(業務用)3Dプリンターは、造形方式により材料や仕上がりなどが大きく異なってきます。3Dプリンタの導入目的を明確にし、それに対応できるものを選びましょう。
価格だけで判断せず、自社の目的や業務フローに最適な機種・サービスを選定することで、産業用(業務用)3Dプリンター導入を成功に導けます。
外注待ちの長さ、ブレによるスピードの上げづらさ、大型・耐熱部品の作りにくさは、現場の生産性を下げます。 産業用(業務用)3Dプリンターを選ぶ際には、各課題解決に適した機能特徴を持つ製品を選ぶようにするとよいでしょう。ここでは、主な製造現場の課題別に、おすすめの製品を紹介します。


