
Value3D MagiXは、国内で3Dプリンターを開発・製造を手がけるMUTOHが提供している製品。国産という強みに加え、充実のサポートが魅力です。ここでは、Value3D MagiXの産業用(業務用)3Dプリンターの活用事例や強みなどについてまとめました。
土木工事を手がける企業では、プロセス確認用の模型等を製作する目的でValue3D MagiXシリーズの3Dプリンターを導入。決め手は、同じ大きさの造形ができる他社プリンタと比べて導入コストが抑えられることと、国内メーカーであるという点でした。顧客への説明に使っていた図面を模型に変えたことで、分かりやすく情報を伝えられるようになり、顧客から喜ばれることも多くなったそうです。
図面を模型化すると全体の形状や高低差を直感的に共有しやすくなりますが、寸法を「合わせる」考え方は用途で変わります。まずは全体像の把握を優先し、干渉や勾配など判断に効く部位だけ積層ピッチを細かくするなど、重要箇所に精細さを割り当てると検証が進みます。縮尺モデルでは、実物換算でどの寸法が意思決定に影響するか(通行幅、取り合い、段差など)を先に決め、そこだけ実測して確認する運用が現実的です。寸法公差や繰返し精度の公称値は公式に未掲載のため、最終判断は評価片や試作模型を出力し、必要寸法を実測して可否を決めてください。
工業高校電気科において、授業で3DCADソフトを使う中で描いた部品等を形にする目的で、Value3D MagiX「ML-200」が課題研究で活用されています。ある生徒は、鉄道運転シミュレーター用のマスターコントローラーの筐体をML-200で製作。造形中は授業のメインであるプログラミング作業に時間を割くことができたそうです。今後はマイスターハイスクールのブラッシュアップ実習での活用も検討されています。
授業での活用では、まず「失敗を減らす条件」を決めて共有し、層厚(積層ピッチ)・使用材料・サポート有無と配置を基本セットとして固定すると運用が安定します。初回は小さな評価片で造形し、形状の欠けやサポート除去後の仕上がりを確認してから本番の課題へ進めると、短時間でも評価と改善を回しやすくなります。造形データ作成からパラメータ設定までの手順を記録しておくと、次の課題で同じ条件を再現しやすくなり、学習時間を確保しやすくなります。
熱溶解積層方式に対応した3製品と光造形方式に対応した2製品、全部で5シリーズが販売されています。中でもスタンダードモデルのMF-900はデュアルヘッドを搭載しており、二色造形や左右対称モデルの同時造形、コピーの同時製作など用途に合わせて使い分けできるのがポイント。さらに、水溶性サポート材を使った造形にも対応ができます。
MF-900のデュアルヘッドは二色造形や同時造形に加え、本造形とサポート材を分けるなど運用が複数あるため、精度ニーズがある場合は「どの運用が寸法や面の出方に影響するか」を先に切り分けるのが近道です。例えば単一ヘッドでの造形と、ミラー/コピー/サポート併用など目的のモードでの造形では、造形条件や後処理が変わるため、同一形状の評価片を出して実測し、採用する運用を決めてください。寸法公差や繰返し精度の数値は公式に未掲載のため、重要寸法は評価片で測定し、条件を固定したうえで再現性を確認する運用が前提になります。
水溶性サポート材は複雑形状で取り外し作業を減らしやすい一方、重要面にサポートが接触すると表面状態や寸法に影響することがあります。寸法を出したい面や合わせ面はできるだけサポート接触を避ける向きで配置し、サポート除去後は洗浄と乾燥の状態を揃えてから測定・組付け確認を行うと判断がぶれにくくなります。水温や時間などの条件は公式に未掲載のため、実際の運用では評価片で除去性と仕上がりを確認し、社内の標準手順として固定してください。
購入時より12ヶ月の無償保証期間に加えて、サポートパック(保守契約制度)も用意されています。サービス期間は無償保証期間を含めた3年、4年、5年の中から選べます。規定範囲の故障であれば、ご契約期間中は何度でも無償で修理可能です。また、カスタマーセンターも設置されており、修理受付はもちろん、技術的なことでもフリーダイヤルまたはメールで相談できます。
精度や再現性を重視する場合、導入初期に材料選定と基本設定を固め、評価片の作り方や測定の進め方まで含めて条件を標準化できるかが重要です。メーカーのカスタマーセンターに相談できる体制があると、造形不良が出た際に「設計データ・設定・材料状態・サポート/後処理」のどこに原因があるかを切り分けやすく、同じ失敗を繰り返しにくくなります。結果として、社内で再現可能な条件が早期に整い、担当者が替わっても品質を維持しやすくなります。
海外製3Dプリンターの場合、中には素材を輸入して取り寄せなければならない製品もありますが、Value3D MagiXシリーズであればサプライ品(材料・プリントヘッド等)が用意されているため、必要なものを機器と合わせて手配しやすいでしょう。手厚いサポートも用意されており、特に初めて3Dプリンターを導入する企業にはおすすめできるでしょう。
以下の仕様一覧は、方式・積層ピッチ・使用材料・造形サイズといった「公開されている項目」を確認するためのものです。寸法公差や繰返し精度など、精度評価に直結する数値は公式に未掲載のため、必要な精度は評価片の実測を前提に判断してください。まずは自社の用途で重要な寸法と面を決め、その部位が安定する条件だけを固定して運用する考え方が適しています。
MF-900は熱溶解積層方式(一般にFDMと呼ばれる方式)のデスクトップ型で、積層ピッチは0.05~0.4㎜、0.2㎜ヘッドの場合は0.2㎜、0.6㎜ヘッドの場合は0.6㎜と記載されています。造形サイズは310×205×230㎜で、使用材料はPLA/ABS/エラストマー/水溶性/カーボン繊維入り/エンプラと案内されており、デュアルヘッドや水溶性サポート材を使った造形にも対応します。なお、最小積層ピッチ0.05mmは「全ての造形で保証するものではない」と記載されているため、品質要求がある場合は条件を固定して実測で確認する前提になります。
積層ピッチは面の段差感(面品位)と造形時間のバランスに影響し、細かくするほど見た目は整いやすい一方で時間が伸びる傾向があります。0.6㎜ヘッド条件では積層ピッチが0.6㎜と記載されているため、用途によっては「外観よりも形状確認を優先する」など目的を割り切る判断が必要です。寸法公差や繰返し精度の数値は公式に未掲載のため、重要寸法は後述の評価片で測定して、社内基準として許容範囲を決めてください。
まずは穴径・ボス径・段差・平面など、よく使う要素をまとめた評価片を作り、造形後にノギス等で測定して「狙い寸法との差」と「ばらつき」を把握します。次に、層厚(積層ピッチ)・材料・ヘッド/デュアル運用・サポートの有無と配置・後処理手順を固定し、同じ評価片を複数回出力して再現性を確認します。良否が決まった条件は、設定の保存と材料の保管条件をセットで社内ルール化すると、担当者が替わっても品質が揃いやすくなります。
材料は、硬さや粘り、耐久性などの特性が異なり、同じ形状でも寸法の出方や後処理のしやすさに影響します。ここでは公式に案内されている使用材料の区分(PLA/ABS/エラストマー/水溶性/カーボン繊維入り/エンプラ)に沿って、特性の要点と用途イメージを整理します(定量値は公式に未掲載)。
| 材料 | 特性の要点(定量値なし) | 用途イメージ |
|---|---|---|
| PLA | 造形条件を合わせやすく、検証を進めやすい材料。 | 形状確認、治具の当たり確認、試作の初期検討。 |
| ABS | 強度や耐久性を意識したい場面で検討しやすい材料。 | 筐体の試作、簡易な機能確認、繰り返し扱う部品。 |
| エラストマー | 弾性を持たせたい用途で選択肢になりやすい材料区分。 | 柔らかさが必要な当て治具、簡易な緩衝部品。 |
| 水溶性(サポート材) | 水で溶けるサポート材を使い、取り外し作業を進めやすい。 | 複雑形状の試作、内部形状を含む造形のサポート用途。 |
| カーボン繊維入り | 剛性を意識したい部品で検討しやすい材料区分。 | 軽量化と剛性が必要な部品の試作、治具・工具用途。 |
| エンプラ | エンジニアリング用途を意識した材料区分。 | 治具・工具の試作、部品形状の機能確認。 |
積層ピッチは面品位と造形時間のトレードオフとして捉え、まずは用途で「見た目重視か、形状確認重視か」を決めると条件選定が早まります。デュアルヘッドは運用(同時造形、サポート材併用など)で造形条件や後処理が変わるため、重要寸法がある場合は評価片で影響範囲を確認し、採用モードを固定するのが安全です。水溶性サポート材は複雑形状に有効ですが、除去後の洗浄・乾燥の揃え方で状態が変わりやすいため、測定や組付け確認の前工程として手順を標準化してください。国産機としてサポート窓口が用意されている点は、条件の標準化やトラブル切り分けを相談しやすく、運用を継続しやすい要素になります。
※Value3D MagiX MF-900の製品仕様です
外注待ちの長さ、ブレによるスピードの上げづらさ、大型・耐熱部品の作りにくさは、現場の生産性を下げます。 産業用(業務用)3Dプリンターを選ぶ際には、各課題解決に適した機能特徴を持つ製品を選ぶようにするとよいでしょう。ここでは、主な製造現場の課題別に、おすすめの製品を紹介します。


