ここでは、3Dプリンターで電子部品の試作を行った事例をご紹介します。3Dプリンターの導入を検討している方、活用法の見当がつかない方は、ぜひ参考にしてください。
従来、電子部品の試作では、「射出成形」と「切削加工」という方法が用いられてきました。それぞれの特徴は、以下の通りです。
5G・IoTの普及にともない、小型化・軽量化が進む電子デバイス。複雑に入り組んだ精密部品も多く、もはやこれまでの製造方法では作ることが難しくなってきています。そこで活用されているのが3Dプリンターです。
3Dプリンターは、設計した3Dデータと3Dプリンター本体、材料さえあれば短期間で加工することが可能です。金型がいらないうえ、ミクロン単位の穴や中空構造も組み立てをせずに一体成形できます。大量生産には向いていませんが、そもそも試作品なので問題はないでしょう。
近年は、電子機器に必要不可欠なコネクタベース、マイクロプロセッサと回路基板を接続するための半導体チップアレイソケット、半導体実装で使われる半導体ランドグリッドアレイなどの試作品が3Dプリンターで行われています。
世界的な実績を誇るコネクターメーカー・ヒロセ電機では、製品開発サイクルを高速化するために3Dプリンターを導入しました。以前は、求められる要件に合わせて試作型を起こし、試作部品を作っていましたが、試作に1か月程度かかる場合も。
しかし3Dプリンター導入後は、数日あれば検証できる体制を整えられるようになりました。実際に基板に実装したり、嵌合の具合を確かめたりできるようになり、開発スピードの向上を確実に実感しています。
【目的別】商品開発・
製造を加速する
おすすめ業務用
3Dプリンター3選を見る
製造の目的・工程に合った3Dプリンターを導入することで、コスト短縮や納期短縮、生産性の向上といったメリットが得られるでしょう。ここでは、目的別におすすめの業務用3Dプリンターをご紹介します。
高精度造形で、温度差による歪みや反りもなく、現場での設備や治具作成に最適。高コストかつ複雑な自動車・電子製品の製造工程で、確実・迅速な現場改善や、組立性向上も実現。
日用品・食品など消費材の大量生産にも長く耐えられる主力複合基材をラインアップ。金属に代わる強度性能を持つ治具を製造・使用できるようになり、交換効率を向上できる。
大型部品の製造工程で必要とされるような、構成する部品点数が多い大型治具を軽量化し、一括造形することで、生産効率を高められる。部品によっては最終製品として使用も可能。
■おすすめの理由:Googleにて「業務用3Dプリンター」で検索上位の32社より、下記理由より選定(2024.3.20時点)
・アジリスタ…調査した3Dプリンターのうち、インクジェット方式で積層ピッチが最小の特徴を持つ製品
・Mark Two...調査した3Dプリンターのうち、繊維素材で高い強度を誇るカーボンファイバー素材を使用できる製品
・BIG PAD...調査した3Dプリンターのうち、樹脂素材で生産できる造形可能サイズが一番大きい製品品